研究活動の成果
ライスパワーNo.1-D
「入浴剤」

ライスパワーNo.1-Dは、温浴効果とスキンケア効果を併せ持った入浴剤用の素材です。
本格的な温浴効果を持ち、1987年に厚生労働省より医薬部外品の有効成分として認められています。医薬部外品において、米由来の素材が有効成分として認められるのは初めてのことでした。

温浴効果とスキンケア効果

1. スキンケア効果

家庭でできる肌のセルフケア(スキンケア)の重要性
入浴には、肌のバリア機能を低下させるリスクが潜んでいます。
特にアトピー性皮膚炎やドライスキン等、日常的に肌バリアが低下しがちな人にとって、入浴シーンでバリアを守ることは、健全な細胞を育てる健やかな肌作りに欠かせません。
入浴液を入れたお風呂に浸かるだけで、低下しがちなバリアを守ることができる
  • 入浴後もしっとりした肌を保つ
  • 浸かるだけで手が届きにくい部分も全身ケアできる
  • 洗浄剤や摩擦を伴う洗浄を不要とすることで、洗浄時のバリア破壊から肌を守る

①清浄効果

ライスパワーNo.1-D配合入浴液の使用により、身体を洗わずとも浸かるだけで、皮膚の老廃物(古くなった角質、皮脂等)が洗い流されます。また、毛穴の奥にたまった汚れも落とします。
皮脂が少なく肌が乾燥しがちな高齢者等は、ライスパワーNo.1-D配合入浴液を用いた入浴(洗わない入浴法)で、身体を洗うことによるバリア破壊から肌が守られ、負担の少ない入浴がかないます。

清浄効果確認試験

■方法:さら湯(入浴剤成分を何も入れていない湯)またはライスパワNo.1-Dを入れた湯に入浴し、入浴後の湯垢成分のうち、粗タンパク量をミョウバン沈降法を用いて測定

清浄効果確認試験
結果
ライスパワーNo.1-Dを入れて入浴した場合は、さら湯で入浴した場合と比較して湯垢成分中に多くの粗タンパクがみられました。ライスパワーNo.1-Dを入れて入浴したほうが、皮膚の古い角質細胞が除去されたと考えられます。

②スキンケア効果

ライスパワーNo.1-D配合入浴液の使用により、入浴後もしっとりとした肌を保ちます。

皮膚水分量測定試験

■被験部位:前腕内側
■方法:ライスパワーNo.1-Dを加えた湯とさら湯(入浴剤成分を何も入れていない湯)(各40℃)に、前腕部のみをそれぞれ10分間浸漬。その後、30分ごとに水分量を測定
■使用機器:角層水分量計 Skicon-200

皮膚水分量測定試験
結果
ライスパワーNo.1-Dを使用した入浴後における水分量は、さら湯の2倍程度になり、入浴後2時間を経過しても水分量が高い状態にあることが確認されました。

ライスパワーNo.1-D配合入浴液の使用により、入浴後すべすべ肌になります。

摩擦抵抗値測定試験

■方法:ライスパワーNo.1-Dとさら湯で人工皮革を洗浄。その後水洗いし、27℃で30分乾燥後に摩擦抵抗値を測定
■使用機器:摩擦感テスター

摩擦抵抗値測定試験
結果
ライスパワーNo.1-Dを使用した場合、摩擦抵抗値がさら湯を使用した場合の半分以下となりました。

③アトピー性皮膚炎患者におけるドライスキン改善効果

ライスパワーNo.1-D配合入浴液を長期継続使用することで、アトピー性皮膚炎等でみられるドライスキンの改善効果が期待できます。
(ドライスキン…アトピー性皮膚、乾燥皮膚、カサカサ皮膚、老化皮膚、荒れ肌等)

ドライスキンに対する有用性評価試験

■被験者:48名(0~42歳)、アトピー性皮膚炎患者
■方法:ライスパワーNo.1-D配合入浴液を1日1回(5~10分間)、4週間連用
■評価方法:皮膚科専門医による皮膚所見

小児科臨床、Vol.45.No.9,199(1992)長崎大医学部小児科臨床、Vol.45.No.9,199(1992)長崎大医学部
結果
アトピー性皮膚炎患者の皮膚における「極めて有用あるいは有用」と「やや有用」を合わせた有用率は79.2%となり、皮膚搔痒度(かゆみ)に対しても有用率68.8%となりました。

※アトピー性皮膚炎に対するライスパワーエキスの効能効果については、引き続き研究中です。
このライスパワーエキスを配合した製品は、医薬品として承認を得たわけではありません。

2. 温浴効果

①温浴効果

ライスパワーNo.1-Dの特徴の1つは、高い温浴持続効果です。
血液の流れをよくすることで、単に温めるだけでなく、入浴により温まった体温を入浴後も持続させる効果が大変優れており、湯冷めしにくくなっています。

温浴効果持続試験

■被験部位:前腕(一般的には全身浴の場合が多い。それと比べて前腕のみは放熱が大きく冷めやすいので差が出にくい)
■方法:ライスパワーNo.1-Dを加えた湯とさら湯(入浴剤成分を何も入れていない湯)(各40℃)に、前腕部のみをそれぞれ10分間浸漬し、サーモグラフィーで皮膚表面温度の温度変化を調べた
■使用機器:サーモグラフィー

温浴効果持続試験温浴効果持続試験
結果
ライスパワーNo.1-D配合入浴液の方では、さら湯に比べて湯上り後温かい状態が保たれていることが確認できました。

②リラクゼーション効果

ライスパワーNo.1-D配合入浴液の使用により、リラクゼーション作用を持つβ-エンドルフィンの増大効果が確認されています。

※β-エンドルフィン…

ヒトが作り出す物質で、精神安定作用・リラクゼーション作用をもっています。免疫系を正常化させ、生活習慣病の予防効果があります。

β-エンドルフィン増大効果試験

■被験者:成人男女26名
■方法:ライスパワーNo.1-D配合または未配合の入浴液を1日1回4週間継続使用
■評価方法:血中β-エンドルフィン濃度測定

No.1-D 配合
No.1-D 未配合
結果
ライスパワーNo.1-D配合の入浴液を4週間継続使用した結果、血中β-エンドルフィン濃度は有意に増加しました。

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