研究活動の成果
ライスパワーNo.6
「皮脂分泌抑制剤」
ライスパワーNo.6は、厚生労働省より「皮脂分泌の抑制」という従来にない新規効能を持つ医薬部外品の有効成分として認められた素材です。
医薬部外品の薬用化粧品における新規効能の認可は、旧薬事法(現・薬機法)制定以来わずか5例しかなく、そのうちの3例をライスパワーエキスが取得。ライスパワーNo.6はその一つです。
現在も「皮脂分泌の抑制」効果を認められた成分は存在せず、ライスパワーNo.6だけが唯一の成分となっています。(2022年現在)
2015年11月、厚生労働省より「皮脂分泌の抑制」の効能効果をもつ医薬部外品の有効成分として認められました。
- 新規効能
皮脂分泌の抑制 - 新規有効成分
ライスパワーNo.6
ライスパワーNo.6は、皮膚に塗布することにより皮脂腺に作用し、皮脂腺細胞の脂質合成を低下させることで過剰な皮脂分泌を抑制します。この効果により顔のテカリやベタベタ感、化粧崩れ、ニキビといった皮脂に関連したトラブルを緩和する特徴を持っています。
1. 皮脂はどこで生み出される? 皮脂腺の構造と働き
皮脂は、毛包漏斗部に開口部を有している器官である皮脂腺で産生され、毛穴から皮膚表面に分泌されます。
皮脂腺内で産生された皮脂は、トリグリセリド、ワックスエステル、スクワレン、脂肪酸などの脂質成分を含み、皮膚の保護、保湿機能の向上、弱酸性に保ち雑菌の繁殖を防ぐなど、皮膚にとって重要な役割を担います。
2. 皮脂の過剰分泌に由来する肌トラブル
皮脂は、皮膚の保護、保湿、pHの恒常性維持に重要ですが、過剰に産生されると顔のテカリやベタベタ感、化粧崩れ、毛穴のつまり等を引き起こしてしまいます。毛穴のつまった状態が続くと、紫外線や角化異常の影響によって黒ずみや角栓などが増え、さらに菌の繁殖を伴って炎症が進んでしまうと、ニキビや吹き出物の増悪までも誘発します。
このように過剰な皮脂は、様々な肌悩みに関与し、また繰り返しやすいことが特徴です。
さらに近年は、食生活の変化やストレス社会などを背景に、幅広い年齢層で皮脂由来の肌悩みを抱える人が増えています。
しかし、結局のところトラブルの原因は、皮脂腺から「皮脂が過剰に出てしまう状態」であり、この状態が変わらない限り、どんなにケアをしても現状の対症治療になってしまい、根本的な肌トラブルの解決はできません。
根本の原因である「過剰な皮脂の分泌」にアプローチして、皮脂量を抑制することが出来れば、一時的な症状の改善ではなく、そもそもトラブルを起こしにくい肌の維持につながると考えられます。
3. ライスパワーNo.6の作用機序
ライスパワーNo.6は、従来の皮脂ケアとは異なるメカニズムで皮脂トラブルを改善します。
あぶらとり紙や拭き取り化粧水、洗顔など、すでに出てしまった皮脂を取り去るケア。
皮脂は過剰に出るままなので、トラブルを繰り返してしまうことが考えられます。
毛包奥の皮脂腺に作用し、脂質合成を抑制することで、皮脂の分泌量を抑えます。
皮脂の過剰分泌に由来する肌トラブルを改善します。
4. 皮脂分泌抑制試験
試験方法
■被験者:26名
■被験部位:顔(ハーフフェイス法)
■方法:2週間、朝晩毎日2回ライスパワーNo.6配合製剤またはプラセボ製剤を顔の左右で塗り分け、額の洗顔2時間後の回復皮脂量をSebumeterで測定
- 結果
- ライスパワーNo.6の塗布により回復皮脂量が有意に低下し、塗布を中止すると回復皮脂量が次第に戻ることから、皮脂を産生し分泌するという本来の機能はきちんと維持したまま、過剰な皮脂の分泌を塗布によって抑えていることがわかりました。
5. 脂質合成試験(培養細胞実験)
試験方法
■方法:ハムスター培養皮脂腺細胞にライスパワーNo.6を添加して分化培養し、脂質生合成量を評価
写真の赤く染まっている部分が脂質の溜まった脂肪滴で、グラフは脂肪滴から抽出した色素量を元に算出
- 結果
- ライスパワーNo.6は、培養皮脂腺細胞の脂質生合成を濃度依存的に抑制することがわかりました。
6. 潤いへの影響及び安全性評価(ヒト長期過剰塗布試験)
試験方法
■被験者:61名
■被験部位:顔
■方法法:3ヶ月間、毎日朝晩2回ライスパワーNo.6配合製剤2種類(化粧水・美容液)を全顔に重ね付けし、皮膚測定および皮膚科専門医による診断を実施
- 結果
-
◆潤いについて
ライスパワーNo.6の長期使用や重ね塗り等の使用により、角層水分量は有意に増加し、TEWL(経表皮水分蒸散量)に変化は見られませんでした。
物理的に過剰な皮脂を除去する一般的な皮脂ケアでは、乾燥を誘発してしまう場合もありますが、ライスパワーNo.6の使用により、水分量、バリア機能のいずれも悪影響はなく、むしろ改善効果が見られました。◆安全性評価
皮脂分泌の抑制に起因した乾燥肌の誘発や皮膚バリア機能の異常は引き起こされなかったことが示され、湿疹、紅斑、鱗屑、皮脂欠乏症等の乾燥に起因する諸症状の発生有無や色素脱失等、その他の症状についての皮膚科専門医による診断においても、有害事象は一件も発生しませんでした。