2022.03.24
腸内細菌は生体の免疫機能に深く関わっており、様々な疾患との関連が明らかになっています。
アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患との関連を示す研究も多く、中には乳酸菌によるアプローチなども報告されています。
本記事では、アトピー性皮膚炎に対する乳酸菌の有効性をはじめ、腸内環境とアレルギーの関係性などを、研究結果にもとづいてご紹介していきます。
アトピー性皮膚炎の治療法に興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。
アレルギー疾患を持つ子供と、持たない子供で腸内細菌を比較した研究では、アレルギー疾患を持つ子供で乳酸菌が減少していることが報告されています。
腸内細菌への介入によるアレルギー疾患の発症予防や発症後の治療についても多くの研究がなされています。
例えば、乳幼児に特定菌種の乳酸菌を6ヶ月投与することで、アトピー性皮膚炎の湿疹症状が改善傾向を示し、血中のアレルギー指標が改善されたという報告もあります。
その他、アトピー性皮膚炎の改善・予防に効果があったとの研究結果も存在する一方で、医療の観点から効果が見込めるとの結論には至っておらず、さらなる検討が必要とされており、現時点においては診療現場で推奨することは時期尚早と結論付けられています。
人の腸の中にある腸内細菌は、免疫反応と深く関わっており、善玉菌が増えることでさまざまなアレルギー症状の予防や症状の緩和に影響するといわれています。
そのため、アトピー性皮膚炎においても様々な研究がなされており、様々な研究結果を系統立ててまとめた報告も複数存在しています。
投与時期(妊娠中の母親、乳児期の本人など)や投与する菌種(乳酸菌、ビフィズス菌など)など研究によって様々ですがその多くは、妊娠中の母親と出生後の乳児に投与することで、乳幼児のアトピー性皮膚炎を予防する効果があると結論付けています。
一方で、条件によっては効果が見込めないとしたものや、場合によっては予防効果が消失してしまうと結論付けている報告もあり、有用性に関しては画一的な結論は出ていない状況です。
今後さらに研究が進むにつれて乳酸菌の有効性がより明らかになるかもしれません。
アトピー性皮膚炎の予防や症状の改善について、特定の乳酸菌の投与により症状が緩和されたという研究は複数報告されています。
また、花粉症や食物アレルギーなどのほかのアレルギー症状の緩和・発症の予防にも効果が期待できるとして、現在も研究が進められています。
しかし、現段階で公に医療現場で推奨されることは時期尚早とされています。
腸内環境を整えること自体は健康にとって大切ですが、アトピー性皮膚炎のケアを目的に取り入れられる際には、こうした背景を理解しておきましょう。
ライスパワー研究所では、このほかにもアトピー性皮膚炎のスキンケアに参考となる情報を発信していますので、ご覧いただけますと幸いです。